top of page
  • Instagram
  • Facebook

2025/09/18(木)令和7年度地域保健関係職員研修会 講演

更新日:9月16日

演題名:

「子どもの口腔機能発達と“かむ力”を育てる地域支援」

―母乳育児から学童期まで、歯列不正と発達不全を防ぐために―

■日時:令和7年9月18日(木)  14:00-16:00

■場所:西濃総合庁舎 4階 大会議室

〒503-0838 大垣市江崎町422-3(TEL:0584-73-1111

主催:岐阜県西濃保健所


【抄録】

「口腔機能発達不全症」という概念は、子どもたちの未来を考える上で避けて通れない視点です。学童期に至るまでに育つべき口腔機能は、単なる“食べる力”だけではありません。呼吸、嚥下、発音、そして睡眠や姿勢といった要素が互いに密接に関わり合いながら、全身の発達・成長に影響を及ぼしています。


本講演では、私自身が提唱する「Root Gear Model」に基づき、歯並びが悪くなる仕組みを上流にさかのぼって解説します。なぜ歯列不正が増えているのか。その背景には、母乳育児、離乳食、乳幼児期の“口の育ち”といった、0歳から始まる生活の基盤が深く関わっています。母乳をしっかり吸うこと、離乳期に多様な食感を経験することは、単に栄養を摂取する行為ではなく、顎の成長や舌・口唇の運動を通じて、正しい歯列と健全な発達の土台を築く営みなのです。


つまり、学童期に歯列や口腔機能の問題が顕在化する前に、私たち大人が支援すべきことが数多く存在します。母乳育児のサポートや離乳食の工夫は、その子の「食べる力」を育てるだけでなく、睡眠や発達全体にまでつながっていきます。保健師や栄養士、保育士、幼稚園教諭といった地域の多職種が、それぞれの立場からこの重要性を理解し合うことが、子どもたちの未来を守るために欠かせません。


本研修では、歯列不正と口腔機能不全が増加する現代の背景を共有し、0歳からの“口を育てる”支援の大切さを考えます。地域に関わるすべての職種が、子どもの成長をともに支えるための第一歩となることを願っています。

最新記事

すべて表示
bottom of page